真冬だというのに、上着も着ないで海に入るなんて… 海翔はしばらく翼のことを見つめていた。 翼も黙って見つめ返していたが、いきなり立ち上がった。 「…帰る」 それだけ言うと、部屋を出ようと歩き出す。 海翔は焦って翼の腕を掴んだ。 「ちょっ…待てよ!!まだ話は終わってねぇだろ」 「…あなたに話すことなんて、何もない」 そう冷たく言い放つ翼に怯んで、掴んでいた手の力を緩めた。