僕らが出会ってから12年目の春がやってきた。
晴れて高校生になり、真新しい制服に身を包む。
これからの高校生活にワクワクしながら登校する。
きっとほとんどの人がそう思うだろう。
僕らも勿論例外ではない。
「おっはよー、蓮斗」
「あ、おはようございます、光輝くん」
「んもー!相変わらず丁寧に挨拶するんだからー! タメにしよーよー」
「朝から何うるさくしてるんだよ......」
「奏太くん!おはようございます」
「あぁ、おはよ、蓮」
校門の前でばったり出会った、保育園の時からの友達。
僕、葛城蓮斗と加藤光輝くんと瀬戸奏太くんは4歳の時から12年間同じクラス。
つまり、腐れ縁ってやつ。
でも、これだけ永い付き合いでも嫌になることもないし、退屈になることもない。
一緒にいて、ものすごく楽しいから。
「――~でさ。だからあれはあーなってるんだよ!!」
「はぁ?光輝、お前わかってないなー......あれは~――......」
こんな他愛ない話をしている光輝くんと奏太くんを見てるとつい微笑ましく思ってしまう。