二人のやり取りを見てそうじゃないかな、とか思ったのに。 なんだ、残念。 小さくため息をつくとお時さんが再び歩き始めた。 あたしも先程よりも大分距離を開けて歩く。 何だかさっきよりも気まずくなっていない? ちらりと横に視線を逸らすと、家ほどではないけれども綺麗で大きなお庭が視界に入った。 これも時代劇に出てくるような感じ。 確か..そう鬼平犯科帳! 一人で感動していると着きましたよ、という声に視線を元に戻した。 「お嬢様」