「何か?」 「これ、着させてもらえませんか?」 もしかしたらまた変に思われるかもしれないと思ったけれど、 「大丈夫ですよ、お時さん!」 いつの間にいたのか、襖が開いて女の人が返事をして頭を下げた。 「お呼びでしょうか」 「この着物をこの方に着せて下さい」 「かしこまりました」 もう一度頭を下げて今度はあたしの方を向いた。 あまりにも鋭い視線に一瞬固まってしまった。 この人、怒らせると怖いかも... まぁでもお雪さんと一緒なら..そう思っていたのに 「お雪ちゃん、ちょっといいかい?」