見ると、紺色の着物を着て髷を結った男の人が興味津津にあたしを見ている。 「えーっと..あたしは..」 「おぉ、南蛮人も俺達と同じ言葉を喋んのか!?」 だから.. 「あたしは南蛮人じゃなくて..」 そこまで口にした時、 後ろから男の人の声がまた聞こえた。 拓登もしかして失敗したの? それとも..拓登掴まった? 嫌な予感がどんどん膨らむ。 こうしちゃいられないわ 「すみません、放して下さい、行かなきゃ」