立ち止まって振り返ると、さっきの怒声は聞こえて来ない。


良かった、どうやら逃げ切れたみたい。


でも安心はできないわ。


これからどうしようと辺りをきょろきょろしてみる。


右を見ても左を見ても着物を着ている人がいて。

やっぱり教科書やテレビで見た髷は本当にあるんだと実感させられる。


街はとても賑やかだった。


通りの両端はお店がずらりと並んでいて、
何を買っているのか分からないけれど、お買い物をしている人。


あ、もしかしてあれってお豆腐屋さん?


お店じゃない、人が直接売りに来ているんだ。とか。


あそこってもしかして本屋さん?とか。


とにかくたくさんの人で溢れている。



そして..これは仕方ないかもしれないけれど。

通る度に視線を感じてしまう。