走る度にみんながあたし達を驚いた顔で見る。




「ちょ、拓登っ..」


「まだだ!まだ走って!!」


「そ、そんなぁ」


気の抜けた声を出すと


「待て待て待て~~~~!!」


後ろから声が聞こえてくる。


うわ、やばい、確実に狙われてるよ、あたし達。



「ちょ、どう、するの?このま、ま..」

走りながらも何とかこの先どうするか聞きたくて、
質問してみると拓登はこちらを振り返らずに答えた。



「俺がお虜になる。そのうちに王麗さんは逃げて」


結構走ってると思うのに何でこの人は息を切らす事無く普通に話せるの?
なんて事を考えて我に返る。


「無理!だ、って拓登..そしたら」


「いいかい?ここで二手に分かれるんだ。待ち合わせをしよう。..この先に西本願寺がある。そこの境内にするけど」