「俺達が住んでいる場所は?」


「東京都内..?そうか、農民とは関係ないって事?」


「そう、江戸城から近い場所はほとんど武家屋敷、そしてそれを囲うようにしてあるのが、
商人達だ」


「そっか、農家はほとんど関係ないって事」


「まぁ都心から離れるともう田圃があったと思うけれど。
でもこの辺でそれはまずあり得ないんだ」



そっか。


やっぱり拓登は凄い。


だけど一つ腑に落ちない。


「でも待って。この硯箱を持っていたのが武士って言う事は分かった。
でもそれと“安泰”とは何が関係あるの?」


「それは」


拓登がそこまで言った時だった。


「此処で何をしている!!!」