沙穂の声につい反応して見てしまう。



視線の先にはメガネをかけた男の子。


少し長めの真っ黒な髪の毛。


学ランをきちんと着こなしていて、図書室帰りなのか手には分厚い本を持っている。


まさに“優等生”という言葉がぴったり。


ってまぁ実際そうななんだけど。




「それにしてもあんた達、いつから会話してないんだっけ?」


「えっと..小学校の卒業式かな」


「長いね~ま、でも男女の友情ってそうかもね~」


「そう、なのかな?」




呟いたと同時に午後の授業のチャイムが鳴り、あたし達は自分の席に着いた。