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翌日の放課後。
あたしは話があるんだと、拓登に呼ばれて、拓登の家に行った。
拓登の家はあたしの家の近くにある。
お父さんは偉大な発明家であると同時に名医でもあった。
ところが中学校に上がる時に事故で亡くなってしまったらしい。
お母さんは拓登を産んですぐに亡くなっている。
だから拓登はこの大きな屋敷に一人で暮らしているのだ。
久しぶりなのにも関わらず、何も変わっていないこの家に居心地の良さも感じる。
でも目の前にいる拓登に緊張もしていて。
出されたお茶を飲みながら拓登の言葉を待っていると、とんでもない言葉を口にした。
「信じられない話かもしれないけど。この文章、書き方、文字の特徴からして江戸時代のものと間違いないと思う」
「え、江戸時代..?」
なるほど、さすがは拓登。
ということは..
「もしかして、手紙の内容も分かったの?」


