なんだ、やっぱり気になってるんじゃない。素直じゃないな、沙穂も。
と、すぐに機嫌が良くなってしまうあたし..(なんてゲンキンな)
でも仕方ない、これはあたしの長所でもあるのよ、..多分。
「いいわ、教えてあげる、..沙穂は、桜の木って知ってる?」
「あんた、あたしの事絶対にバカにしてるでしょ?」
「バカになんてしてない、それでね、その桜の木の下にはね」
「うん」
「どうやら死体が埋まってるらしいのよね..」
うんうんと頷いてみせると、沙穂は大変呆れたような声を出した。
「あんたって..やっぱ変わってるわ」
小学校以来の友人の一言は重たい。
「やっぱり沙穂も..あたしの事そう思ってたんだ」
「当たり前でしょう?それに、桜の木の下に死体が埋まってるっていうのは誰かの“詩”のタイトルで、死体なんか絶対に埋まっていないんだから!」


