だって、もしかしたらこの手紙を必要としてる人が、待ってる人がいるかもしれないじゃない。


そう思ったら、いても立ってもいられなくなる。


「あたし、は」


「だったらあいつに相談してみたら?」


あいつ..?

首を傾げると沙穂は更に続ける。



「その手紙の主に届けられるかは分からないけれど、天才少年とまで言われてるんだもの。
きっと何かヒントくらいは出してくれるんじゃない?」



沙穂の言葉に、答えられないままでいると、授業開始のチャイムが鳴り鳴り始めた。




あいつは

拓登は


あたしを助けてくれるだろうか。