「どうって..硯箱(すずりばこ)よね?」
漆で塗られた、綺麗な箱は何処からどう見ても硯箱で。
やっぱり、沙穂の言葉にあたしも頷く。
なのにおかしいのだ。
「どうしたの?」
「沙穂は硯箱が何か知ってるわよね?」
「あんた、あたしの事馬鹿にしてるでしょう!」
「し、してないっ!ただ、そうよ、確認をしようと思って...」
「それなら知ってるわ、硯箱は本来筆や墨とか
そういった“書く”ものを入れるものでしょう?」
うん、そう。
沙穂の言ってる事は大体合ってる。
でも違うのだ。
「それがどうしたの?」
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