君とタイムトラベル☆~過去からの手紙~



「どうって..硯箱(すずりばこ)よね?」

漆で塗られた、綺麗な箱は何処からどう見ても硯箱で。


やっぱり、沙穂の言葉にあたしも頷く。


なのにおかしいのだ。



「どうしたの?」


「沙穂は硯箱が何か知ってるわよね?」


「あんた、あたしの事馬鹿にしてるでしょう!」


「し、してないっ!ただ、そうよ、確認をしようと思って...」


「それなら知ってるわ、硯箱は本来筆や墨とか
そういった“書く”ものを入れるものでしょう?」


うん、そう。

沙穂の言ってる事は大体合ってる。


でも違うのだ。


「それがどうしたの?」