「すげー、あれリムジンじゃね?」


「こんな普通の学校に金持ちなんていたっけ?」



聞こえてくる声達に肩が震えあがる。


あれだけ迎えに来たらダメって言ったのにっ!


ゆっくり歩いていた足が速くなる。



目の前に出来ている人だかりを何とかかき分けて、リムジンの運転手席に回り、コンコンと
ドアをノックすると、すぐに窓が開いた。


「ちょっと、どういうつもり?霧島!」


怒鳴り声で周りにいた人達が静かになる。


し、仕方ないわ、


こういう時の対処方法はこれしかない。


「皆様、ごきげんよう」


にこやかに笑顔を作って霧島が出てくる前に車に乗り込んだ。



「出して」


「かしこまりました」