「姉さん、どんだけ買い込むんだよ。」

「いいじゃない。ま、しばらくは日本にいるけどね。」

「ふーん。んなら今日じゃなくても・・・。」

「悠と一緒に買い物行きたかったのよ。」

姉さんは、するり、と

俺の腕に、腕を絡めてくる。

「ったく、変わってねーなぁ。」

「悠は、かっこよくなったわよ♪」

「うっせ。」

この日、俺は、朝から姉さんの

部屋の侵入により、町へと買い物に付き合わされていた。

「もう夕方だぞ?そろそろ帰るか。」

「そうね。また付き合ってよ?」

「はいはい。気が向いたらな。」

わかった、なんて返事したら

毎日毎日付き合わされるに決まってる。

「ほら、帰るぞ。電車がいーんだろ?」

「あ、覚えててくれたの?悠大好きー。」

「ったく。」

きゅっとく身体を密着させてくる、瑠実姉さん。

こうしてみると、姉さんには

とても見えないが・・・。

「許婚ちゃんに、早く会いたいっ♪」

「お前も知ってたのかよ。」

「もっちろん♪悠のことならなんでも♪」

「あっそ。」

こんな姉さんでも、いないよりは

いたほうがずっといい。

そう俺は、思ってしまうのだった。