書斎にて。

「ここ。本が、いっぱいあんだろ。」

「うん。すごい量・・・。」

本屋さんより、多い数の本が、

ずらーっと並んでいる。

「これだ、俺の書いた本。」

あたしに手渡してくる。

その本の題名は、あたしも知ってるもので・・・

「嘘っ!?コレ書いてんの、悠だったの!?」

「うん。知んなかった?」

知るわけないじゃんっ!

てか、この本すっごいヒットしてる本で、

本あんま読まないあたしでも、知ってるんだよ?

「悠って、すごい奴だったんだ・・・。」

「俺は天才なんだって。」

「うわー。ナルシイカレポンチー〔笑〕」

「うっせーよ。」

悠は、書斎にあるおっきい机と、ソファに

腰をかけて

パソコンを起動させた。

「お仕事なんでしょ?あたしは出とくよ。」

「ここにいろ。お前は俺のそばにいればいーの。」

あたしの身体をぐっと引き寄せて

悠の隣に座らされる。

「近いってっ。」

「何?恥ずかしい?」

「そ、そうじゃないけどっ・・・。」

「ならいいだろ。」

あたしの身体に、体重をかけるようによっかかって、

原稿をかいてる悠。

うわ・・・。真剣だ・・・。


そんなとき。

コンコン、と音がして

「失礼します。悠様、琶炉様。そこにいらっしゃるのですか?」

「あぁ。入れ。」

さっきの執事さんが、入ってくる。

「お食事の用意が出来ております。」

「わかった。今から行く。」

「後、琶炉様のお荷物を、運んでおきましたので。その辺はご安心ください。」

「は、はぁ・・・。」

ホントにあたし、ここに住むんだ・・・。

これはあたしが、

本当の事実を確信した、瞬間だった。