それから、疲れたあたし達は

残りの授業もすっぽかして、車で家に帰った。

「ふぅー。やっぱ家が落ち着くー。」

この部屋に慣れてしまってからは、

広い部屋に、メイドさんといることが当たり前。

「あれ?琶炉様、ここ・・・。」

「ん?どーしたの?」

メイドさんが指差したとこを、

鏡で見てみると・・・

赤い後がついていた。

そう、世の中でいう

“kissマーク”

だ。

「っ!?」

「ど、どうしました?」

「な、なんでもない・・・。」

メイドさんには、ばれたくないっ!

あたしは、ニコニコ笑顔を向けて

なんとかきりぬけた。

あいつぅーーー。

こんなとこに、マークつけやがって・・・。

てか、

いつつけたんだよっ!

あーーーーーっ

恥ずかしいっ!

あたしはこの日、一晩悶え苦しんだ。

その後を見るたび、思い出してしまうからだ。

そう、

保健室での、あの出来事を。

「ぜっっったい、言わないんだからっ!」

あたしは1人、

ベッドの上で呟いていた。