「ぷはっ。やっと行ったぁ・・・。」

「そんなに俺といるの嫌なわけ?」

「そ、そうじゃないけど・・・。」

悠といると、なんか変な感じになる。

もともと男の子との接触なんて、今までなかったわけだし。

胸がきゅうって、苦しくなる。

「何?どっか痛い?」

「べ、別にへーき。ありがと。」

「疲れたろ?ここでちょっと寝てく?」

「はいっ?」

寝るって、ここ保健室のベッドなんだけど?

先生、いつ帰ってくるかわかんないし、

第一男と寝るとかありえないでしょ。

「あ、あたしは、女なのよ?」

「そうだな。んで?」

「あんたは、男でしょ。女と男が、おんなじベッドで寝るなんて・・・。」

「昨夜寝たじゃん。」

あっ・・・。

そうだった。

昨日の夜、由紀に部屋を追い出されたあたしは

悠のベッドで寝たんだっけ。

気持ちよかったんだよねぇ・・・。

ふわふわしてて、温かくて

ちょっとだけ、悠の匂いがして・・・

じゃ、なくてっ!!

流石にまずいって話してんのっ!

「1回も2回もかわんねーよ。」

「そうゆう問題じゃないっ!」

「うっせー。騒ぐな。」

「ちょっと、寝ようとしないでよっ!」

あたしがそう言った瞬間。

悠の顔が、ニヤリと笑った。

「な、何よ・・・。」

「じゃあ、俺に何して欲しいの?」

「は?」

意味わかんない。

こいつ、どうしちゃったの?

頭打った?

「俺に寝ないで、何して欲しい?」

「・・・?」

「わかんねーの?」

悠は、いつも俺様モードの時に見せる

意地悪顔を、あたしに近づけた。