放課後。

「琶炉、帰ろー？」

「ゴメンっ。先帰ってて？」

「どうしたのー？」

「ちょっと用事あるから。」

ホントは、あたしだって帰りたいよ。

でも、確認しないといけないことが

あるからね。

「わかったー。じゃ、明日ねー。」

「うん。明日ね。」

バイバイ、と手を振って、

教室をでる友達を見送る。

・・・さっさと済まして、あたしも早く帰ろ。


１５分くらいして、やっと女子共が

羽爾野森君の周りを離れたのを、見て

「羽爾野森君・・・、だよね？」

と、声をかけた。

「ん？あぁ、お前か。」

あたしの名前は“お前”じゃないんですけど？

「俺の家に来い。話はそれからだ。」

「は、はい？」

「早くしろ。また女子に捕まる。」

「はぁ・・・。」

あたしは、しょうがなく

羽爾野森君の後ろについていく。

「門はそっちじゃないけど？」

「裏口からでんだよ。車、回してあるから。」

うわーっ！

お坊ちゃま〔笑〕

ホントにこんな人いるんだね。

「何つっ立ってるんだ？早くしろ。」

もー・・・。

しょうがない。今回は、こいつの言うとうりにするか。

「乗ればいいの？」

「あぁ。」

黒いでっかい車〔リムジンみたいなの〕に

運転手つき。

本物の金持ちだぁーっ！

「だせ。」

「かしこまりました。」

ブロロロローっと車の走る音がした。

こいつんちって、どこにあるんだろう？