部屋の中にて。

「メイドさんも、入って入ってっ!」

「は、はいっ。」

「鍵、閉めてくださいっ。」

「は、はぁ。」

メイドさんに頼んで、鍵を閉めてもらう。

よしっ。これでokっ!

「由紀様?どうして鍵を?」

「あのさ、羽爾野森君と琶炉って、進展してないと思いませんか?」

「そ、それは確かに思います。ご自分のことには、鈍い方ですから。」

「ですよね。今夜、2人をおんなじ部屋にしたら、ちょっとは進展すると思いませんか?」

あたしは、なんとかしてメイドさんを説得する。

あの2人は、いくらなんでも鈍すぎ。

ホント、自分のことだけは鈍いんだからぁ・・・。

「わかりました。では、今夜は私と2人ということですか?」

「すみません。迷惑かけちゃって。」

でも、今回は相性いいと思うの。

ずっとずっと友達なあたしが言うんだから、これは絶対っ!

いつも、はっきりものを言う琶炉なのに

『わかんない。』

って言葉を濁したでしょう?

それは、もしかして好きかもって

思う要素があったからなんじゃないかな?ってあたしは思うから。

羽爾野森君も、自分では気づいてないけど

琶炉のこと相当好きみたい。

早く、付き合わないかなぁ・・・。

「なんか、ワクワクしますね。」

「あははっ。そうですね。」

あたしは、メイドさんと会話をしながら、

今夜の2人を想像しながら

・・・少しにやつくのだった。