「なにコレ広ーいっ!」

「でしょ?ここ、あたしの部屋。」

パタパタ部屋を走り回る由紀。

子どもみたい〔笑〕

可愛いなぁ。

「ホント、すごいねっ!」

「でしょでしょ?でもちょっと広すぎかもねww」

「あはは。そうかもね。」

ホント、久しぶりだなぁ・・・。

こんな風に、友達をきゃっきゃするの。

なんか、へーわだわ〔笑〕

「これから、どうするの?」

「そのうち、お風呂ですよってメイドさんが入ってくるから。それまでは自由。」

「ふーん。じゃ、ぶっちゃけきくけどさぁ。」

「何?」

「琶炉って、羽爾野森君のこと、好き?」

「ぶっ!」

飲みかけていた紅茶、吐きそうになった。

なんてこときいてくるんだ、この友達は。

「・・・わかんない。」

「へー。珍しいね。そんなこと琶炉が言うなんて。」

「そう?」

そんなこと、ないと思うんだけどなぁ・・・。

「いつもなら『好きなわけないじゃんっ。あんな奴っ!』っていうじゃない。」

「ま、まぁね。」

「それって、ホントに好きってことなんじゃないの?」

「うっ・・・。」

ぶっちゃけすぎ。

そんなこと言われてもさぁ。あいつだよ?

ナルシだし、俺様だし、イカレポンチだし。

その考えはかわんないっての。

「いいじゃん。かっこいいし♪」

「そうゆう問題じゃないのっ!」

「ほぉー?」

あいつは、あたしのこと好きなわけ?

『キスしろ。』とかは言ってくるけど、

『好き。』とは、一度も言われたことがない。

あいつ“言わせてやる”って言ってたし。

ってことは、あたしが告白しないといけないってことなんじゃないの?

「ま、ゆっくり考えなっ♪」

「わかってるってばっ!」

由紀はニコニコな笑顔で、

あたしの肩をポンっと軽く叩いた。