そして、待つこと10分。

コンコンコンコン、と

ドアをノックする音がした。

「由紀っ!?」

「私だよ。お昼、必要だろう?」

「あ、お父さんっ!」

メイドさんに

「開けてっ!」

と言って、ドアを開けてもらう。

その瞬間、

「おいおい。金持ちに慣れてきてんなぁww」

と悠につっこまれる。

うっせーっ!

いいでしょ、別に。

「琶炉ちゃん、お友達がきてますよ。」

「由紀っ!」

あたしは

きゃーーっ!

と言いながら、由紀に駆け寄った。

「もー。琶炉、こんなとこにいたのぉ?」

「ゴメンね。女子達に追いかけられちゃって〔笑〕」

「あ。あれ?羽爾野森君の?」

「やっぱ噂になってるー?」

「なってるよww」

ぎゃーーーっ!

やっぱりぃーーーっ!

「じゃあ、一応紹介ね。こいつ、羽爾野森悠。」

「えっと・・・。井上由紀です。」

「琶炉の友達?」

「うん。」

「んじゃ、ふつーでいっか。よろしく。」

あたしに接するときのような態度で、

由紀に自己紹介する、悠。

「俺達のこと、どこまで知ってんの?」

「い、許婚ってとこまでは。」

「「はぁ・・・・。」」

あたしと悠は、2人そろって溜め息をついた。

由紀が知ってるってことは、

この学校のほとんどの生徒が知ってるって

ことじゃんっ!

「由紀。ね、今日暇?」

あたしは、由紀にとりあえずきいた。

暇なのは、わかりきってるけど〔笑〕