「ど、どなたですか・・・?」

ドアを開けるのは怖いから、

部屋の中から返事をする。

「あ、琶炉様のメイドでございますっ。」

「メ、メイドさんかぁ・・・。」

あーびっくりしたぁ・・・。

また、あの女子達かと思ったよ〔笑〕

あきらめ悪そうだったから。

「今から開けるねぇ。」

あたしは、安心して、校長室のドアを開けた。

「学校まで来て、どうしたのー?ってうわっ!」

「は、琶炉様っ!?」

「いいから、早く入ってっ!」

半ば無理やり、メイドさんを校長室に引き込むと

ばたんっと勢いよくドアを閉めた。

「ど、どうなさったのですか?」

「メイドさんの後ろ、女子生徒がいっぱいいたでしょ?」

「は、はい。」

「あれ、あたし達を狙ってあそこで待ってるんだと思う。」

今、丁度お昼休みだからなぁ・・・。

やっぱ、油断しちゃダメだ。

「おい、琶炉。どうした?」

「校長室のドアの前、いっぱい女子達いた。」

「はぁ?マジかよ・・・。」

悠まで、疲れたような顔になる。

ま、あそこまで追いかけられたら

誰でもそうなるよね〔笑〕

「メイドさん。悪いけど、もう外出らんないかも。」

「わ、私はかまいませんけど・・・。」

「ホント、ゴメンね。」

また、ドアを開けたら、

きっと次は中まで入ってきちゃう。

「あ、あの・・・。お父様は・・。」

「お父さんは、お昼ご飯用意しに行ってくれたよ?」

「そうなんですか。」

ここの校長室、すっごく広いから

定員オーバーになることはないだろうけど・・・。

出らんないってのは、ちょっとかわいそうだよね。

あたしも、授業受けたいのにぃ・・・。

「ん?あ、メールだ。」

ブーブー、とマナーモードにしていたケータイが鳴り出す。

・・・誰からだろう?