その瞬間。

「「「「「「きゃーーーーっ!!」」」」」

何人もの女子生徒の声〔悲鳴?〕が

あたしの耳に入ってくる。

ぎゃーーーーーっ!

うるさいうるさいっ!

鼓膜が破れるってのっ!

「おはようございますっ!羽爾野森君っ!」

「今日もかっこいいですねっ!」

・・・何言っとんじゃ、こいつらは。

何が“かっこいいですねっ!”っだよ〔笑〕

ていうか、あたしに気づいてないんじゃない?

よっしゃっ!

「ほら、行くぞ。琶炉。」

「あ、うん。」

あ・・・・。

やばっ・・・。

思わず返事しちゃった・・・。

「「「「「えぇーーーーーーっ!」」」」」

今度は、おっきい驚きの声。

そりゃ、そうだよね。

皆の憧れ〔笑〕の羽爾野森悠の隣を

歩いてるんだから。

「っとっ!」

「おいっ。危ねーだろ。」

何かに躓いて、こけそうになったところを

悠が手を掴んで引っぱってくれる。

「さんきゅ。」

「このまま行くぞ。」

「う、うん・・・。」

周り、うるさいし。

早くこの場から立ち去りたかったあたしは

素直に返事をした。