「ほら、行くぞ。」

「わかってるってばっ。」

「んなら早く動けや。」

「うっさいっ!」


・・・絶対ないっ!

こいつにドキドキしたなんて、

絶対気のせいっ!

いきなり挨拶してきたから、

ちょっと驚いただけであって・・・

意識してるとか、

す、好きとか・・・///

ないないないっ!

ありえなーいっ!


「おい。何ボーっとしてんだよ。」

「へ?」

「ったく・・・。危なっかしい奴。」

「うっさいってのっ!」

ふんっと鼻で笑って、

あたしの前を歩く悠の背中を

少しだけ複雑な思いで見つめる。

「・・・なんで、ドキドキしたまんまなのよ・・・。」

ぼそっと呟いて、自分の顔を手のひらで触る。

なぜか、あたしの頬っぺたは

やけどしたように

熱かった。