部屋にて。

「もう、なんなのあいつ。からかってんの?」

あたしは、ぶつぶつと

ベッドの寝転びながら、呟きを漏らす。

「悠様は、そうゆうことをなさるかたじゃないと思いますよ?」

「でもね、あの性格なら充分ありえると思うの。」

だってさぁ、

意地悪で、ドSで、ナルシストで、イカレポンチで。

まぁ・・・たまに優しくて?

意味わかんない。

「悠様は、お優しい方ですよ?」

「えっ?いや、それはぁ・・・。」

表の顔しか、見てないからじゃないの?

確かに、学校ではいい人そうだったもん。

「もちろん、私は悠様の全部を知っていますからね?」

「・・ふーん。あたしは・・・よくわかんないや。あんな意味わかんない奴にあったの初めて。」

「ふふっ。そうでございますか。」

あたしのわからないことも、全部知ってる。

といわんばかりの、訳知りの顔で、

メイドさんは微笑んだ。

「夜更かしはお体に障ります。今夜はもう、お休みになってください。」

「うん。・・・そうする。」

あたしはこくり、と頷いて

ふかふかのベッドにもぐりこんだ。

「おやすみなさいませ、琶炉様。」

「うん。おやすみー・・・。」

パチンっと電気を切って、

あたしの部屋を出るメイドさん。

なれないところだから、寝れないかなぁ・・・と思ったけど

ほのかに香る、バラの匂いに誘われて、

あたしは眠りについた。

〔琶炉said.end〕