悠が、いかにも自然な様子で

扉を開けた。

「悠様、琶炉様。お待ちしておりました。」

「そうか。」

執事さんは、あたしと悠の座るイスをひいて

ペコリ、と軽く礼をした。・・・会釈っていうやつ?

おっきい、というより、

長くて、おっきいテーブルには、もう料理が並んでいた。

そして、

あたしの母さん。

今日朝、入学式であった校長先生。〔悠のお父さん?〕

あたし。

悠。

が座っていた。

「舞川さん、でしたよね?」

「は、はい。そうですけど。」

校長先生の印象が強いから、

いきなり話しかけられると、ちょっとびっくりした。

「突然のことで、驚かれたでしょう?」

「は、はぁ・・・。」

「すぐ、どうこうなるわけではないのですが。悠のこと、よろしくお願いします。」

「は、はい・・・?」

やっぱり、悠のお父さんであってたんだ。

・・・にしても、

『悠のこと、よろしくお願いします。』

とか、言われてもねぇ・・・。

困るっていうか、

なんというか・・・。

すぐに結婚しろ、とか言われないなら

まぁ、いいけどさ。

「琶炉?食べたら?美味しいわよ?」

「う、うん。」

母さんは、すっかりなれてきてしまっているようだ。

そういえば・・・

母さんの部屋って、どこにあるんだろう?

「母さんの部屋って、どこにあるの?」

「別館よ。用があったら、いつでもきてね?」

「別に、用なんかないけど・・・。」

目の前にある料理を、

パクリ、と口に運ぶ。

「っ!何コレっ!美味しいっ!」