目を閉じるたびに、すぐに浮かび上がる人がいる。
まるで呪いのように、俺はその場所から抜け出せなかった。

後継者は幼い少年。
双子の兄は目の前の玩具に興味をひかれるような子供で、間者としての俺の立場は無いも同然だった。

問いかけても
返事の返される事のない
その名を
俺は何度呟いただろう

何故 俺は――……