にこりともせずに金森先生は、きびすを返して校長室のドアを開けた。


静香は、一瞬だけど宝塚歌劇団の男役が金森先生とタブって見えた。


金森先生は、その位、精悍だった。


「私たちが担任する教室は、建物のいちばん端にあります」


「はい……」


静香は、この先生と2人だけになると、どうも萎縮してしまう。