だが、
信一が真っ赤な顔を
してあたしの手を
ひいてるから…


何も言えずに
あたしはずっと

手を繋いでた…



「紗英ちゃんはさ〜」

「なに?」

ファミレスで
二人、メロンソーダを
飲みながら

話していた


「今まで何人と付き合った事あんの?」

「ん〜…何人だろ…」


覚えてなかった


「え!わかんない程、付き合ったことあんの」

「…たぶん」

「すげ〜!俺は紗英ちゃんが3人目っ」

「そ〜なんだ」

「すごいね!え?どんな人と付き合ってたの?」

「…まあ色々…どんな人っていわれてもねぇ」

「例えば、年上とかさ」

「あ〜…ぜんぶ年上」

「俺も年上だもんね」

「そだね」

「…………」

「………」

沈黙が続いて、

「ズズズ…」


信一のコップが空になる


「あ…いれてくるわ」

「うん」


信一が席を立ち
コップを持ち歩いてく


「ふ〜…」

あたしは溜め息


その時、信一の方に
一人の男が近付く


「ッ…」

あたしは言葉を失った


あたしが
本当に愛した男…
そして裏切られた男…

健一がいた…


「え…どうゆうこと」


信一が健一を
連れてこっちにやってくる


「紗英ちゃん!この人さ僕の先輩の、澤 健一さん!!偶然あってさ」


「…紗英ちゃん?」

健一がそういってあたしの顔をマジマジと
見つめる


「あっ!紗英じゃん!まぢ…?可愛くなってっから気付かなんだ」


「あれ?紗英ちゃん先輩と知り合いなの?」


「あ〜…元彼」

「え…?あそうなんだ」

「何?おまえら何処で知り合ったん?」

「合コンです」

「あ〜合コン!って紗英…お前合コン嫌いだったよな?」


「…行ってみたの」

「そかそかぁ〜」

「じゃ!ゆっくりな!」

「はい!さようなら」

「………」