わたしとあなたのありのまま ‥3‥





お昼休み、いつも通り綾子と一緒に中庭へ行くと、田所の姿は無かった。

謝る気満々で張り切ってやって来たのに、早々に出鼻を挫かれた。



「悠斗なら三限から見てないけど。また何か、嫌なことでもあったんじゃねぇの? あいつ、ふて腐れるとすぐ、家(ウチ)帰る癖あるから」


瀬那くんが、何でもないことのように涼しげに答えた。



今日は追わなかったんですか?


この前は、田所が居ないと授業つまらないとか何とか言って、わざわざ自分も授業サボって荷物届けてくれたのに。有難迷惑なお節介してくれたのに。


今日は追わなかったんですか?



「ああ、わかった。悠斗、ほのちんと喧嘩した?」

ニカッと笑って言う瀬那くん。


今思い付いた風を装っているけど、私は確信した。瀬那くんは、事の一部始終を把握しているのだと。