わたしとあなたのありのまま ‥3‥

「ん、そだね。私も嫌われたくないし。それに、『女をダメにするタイプ』とか、田所の悪口言われるのもやだし」


「田所の悪口じゃなくて、私はほのかさんの悪口を言ったつもりですけど」


「え? そうなの? だったら尚更やだしっ!」


「へぇ……尚更やなんだぁ」


綾子は心底呆れたような苦笑を浮かべた。



笑いたければ笑うがいいさ。


でも悔しいけど、謝った方がいいような気がして来た。それも出来るだけ早いうちに……。



取り敢えずは、さっきから、嫌でも耳に入って来る、自己主張激しいこの曲の感想でも書いておくか。


『素晴らしいです、感動しました。感動し過ぎて涙腺崩壊寸前です。ところで質問があります。今日の板書ってテストに出ますか? というか、テスト、どこが出ますか?』



あろうことか、それを横から盗み見た綾子が、

「ほのかって、悩みないでしょ?」

溜息交じりに問う。



「今私、めっちゃ悩んでますってばっ!」