わたしとあなたのありのまま ‥3‥

「何言ってんの? 私、大概いつも、あんたの味方だよね?」


前の席から回って来たプリントを受け取りながら、目線は私に向けたまま綾子が言う。そうして、うち一枚は自分の目の前に、もう一枚を私に寄越してから、残りを後ろの席の女子に渡した。



「だけど、さっきのは田所悪くないわ。ほのかが悪い」


「でもさ、いくら私のためって言ったって、あれはちょっと度が過ぎてんでしょ? あそこまでいくと、逆にうっとうしくなるじゃん、当然じゃん。

もし私の立場だったら、綾子だって絶対そう思うよ。田所は極端過ぎるんだから。不器用過ぎて、加減が出来ないんだよ」


「ひっど」

綾子は心底呆れたように目を細めて、侮蔑を含んだ視線を私に向けた。


どうしてよ? 私、何か間違ったこと言ってる?



「田所は確かに不器用かもしんないけど、極端なのは、ほのかの為に全力投球だからでしょ? 違う?」


ああ、確かに……。

でも折れたくない。核心を突かれて、なんだか余計に悔しい。