わたしとあなたのありのまま ‥３‥

けれど向けられた冷淡な眼差しに、いつもの『ご機嫌斜め』とはどこか違うものものしさを感じて、何も言い返せなかった。



黙ったまま様子を窺っていると、やがて田所の方から、酷く重そうに口を開いた。


「何なんだよ？　『冷たい』だの『放置プレイ』だの、いっつもお前、文句ばっか言ってんじゃん。だから俺なりに変わろうって努力してんのに、今度はいつもの俺に戻れとか……。

意味わかんねぇわ。お前は一体俺に、どうして欲しんだよ？　俺は――

どうすればいんですかね？」


最後はもう投げ遣りな感じだった。


とうとう田所を本気で怒らせてしまった。

どうしよう……。



じっと見下げる田所は、私が何か言うのを待っているのか、次の言葉を探しているのか。表情がすっかり消え失せた顔では、何を考えているのかさっぱりわからない。



美麗な無表情が怖い。嫌われちゃったかも、そう思ったら不安で不安で、胸が潰れそうだった。