「そうやってすぐ、何でもかんでも人のせいにする。違うでしょ? 物理的に無理があるんだって。そんなこともわかんないの? 理系のくせに」


「あ、違った。ほのかちゃんのせいじゃない、俺のせいだ。俺のアレがデカ……」


「やめてよ! そういう卑猥な下ネタ」


ガタッと机を前に押して立ち上がった。



もう、あったまきたっ!

クルリと勢いつけて身体ごと振り返った。ムッとして見下ろす私を、何が起こったかわからないとでも言いたげな不思議顔で、田所は見上げ返して来る。



田所の言うことやること全部、悪気なんかない。そんなことぐらい充分過ぎるほどわかっている。

でもどうしてだか苛つく。今日はやたらに腹が立つ。



「田所、いつまでここに居んの? もう教室戻ったら?」


突き放すような言葉を落とせば、田所の表情に心なしか陰がさした。