「はい、田所」
田所の脇からお菓子の箱が差し出された。田所の大好物、『パイの実』だ。
目の前の箱から、それを持っている手、腕、とゆっくり視線を滑らせる田所。
「何コレ?」
そして、その人の顔に目線が辿り着くと、愛想のないぶっきら棒な口調で問う。
「あげる」
救世主、綾子も田所を上回るぶっきら棒口調で返した。
「照哉に?」
田所は不機嫌顔はそのままに、ちょっとだけ声色は柔らかくして綾子に再び問う。
『照哉』くんとは、綾子の彼氏で田所の親友。
綾子が自分にお菓子を恵んでくれるなんて(しかも箱ごと)、田所には想像もつかなかったんだろうな。だって単細胞生物だから。
田所の脇からお菓子の箱が差し出された。田所の大好物、『パイの実』だ。
目の前の箱から、それを持っている手、腕、とゆっくり視線を滑らせる田所。
「何コレ?」
そして、その人の顔に目線が辿り着くと、愛想のないぶっきら棒な口調で問う。
「あげる」
救世主、綾子も田所を上回るぶっきら棒口調で返した。
「照哉に?」
田所は不機嫌顔はそのままに、ちょっとだけ声色は柔らかくして綾子に再び問う。
『照哉』くんとは、綾子の彼氏で田所の親友。
綾子が自分にお菓子を恵んでくれるなんて(しかも箱ごと)、田所には想像もつかなかったんだろうな。だって単細胞生物だから。



