わたしとあなたのありのまま ‥3‥

「放せって、ほのか」

田所は自分の首の後ろに両手をやり、巻き付いている私の手首を掴んで、無情にもそれを解こうとする。



そんなバカなっ!


今、この状況で。

田所は、来客を出迎えようとしている?



「いやっ」

そうはいくかと、両腕に有りったけの力を込めて、必死に縋りついた。


「『いや』じゃねー、放せ」

冷ややかに吐き捨てられた田所の言葉に心が折れそうになるも、頑として離れてやらなかった。



けれど、来訪者は田所の出迎えを待たず、ガチャリ、乾いた音を鳴らして勝手にドアを開けた。



「ただいマンゴー」

靴を脱ぎながら、さもそれが当然かのように、涼しげな顔で中へと上がり込んだその人。