わたしとあなたのありのまま ‥3‥

「ねぇ、荷物どうすんの?」


教室にも戻らず学校を出て来てしまったから、もちろん二人とも手ぶら。私の中の微かに残っている冷静さが、そんな心配をふと思い起こさせた。



私の手を引きながら一歩前を歩く田所が、歩を進めたまま振り返る。


「照哉か峰子ちゃんに頼めば?」

図々しいほどの他力本願宣言を、当然のように涼しげな顔で口にし、田所はニッと両口角を上げて一瞬だけ笑みを見せた。



「照哉くんは大丈夫かもしんないけど、私が綾子に怒られるじゃん」

「なら、ほのかの分も照哉に頼む」

「照哉くんコキ使ったら、それはそれで怒られるんだって」

「なら照哉に宥めて貰えば?」



はい、確かに。

照哉くんは私以上に綾子の扱い方を心得ている。というか、綾子は照哉くんの言う事なら何でも聞いちゃうって感じかなぁ……。


照哉くんの手に掛かれば、あの綾子が自由自在に操られてしまうんだから不思議。