わたしとあなたのありのまま ‥3‥

私の良さって、女としての魅力じゃないじゃん。とっととそこに気付けよ田所、と思う。



「田所……大好き」


結局――

最終的にはこれ。いっつもこれ。



両腕をその首の後ろに回して、背の高い田所に爪先立ちになってまで抱き付いた。


田所も、再びぎゅうっときつく抱き締めてくれる。



「ほのか……食べてい?」

「え? 今?」

「ん、今。食べたい」



うわっ、突然の欲情?


普段はどんなに誘っても静寂を保っているくせに。お陰でこっちは欲求不満なのに。

どうして今なの?


――と、不満は多々あれど。


「召し上がれ」

なんて。迷わず答える私はバカだ。バカ過ぎる。



もう多分、五時限目はとっくに始まっている。私たちは始業チャイムを聞き逃したんだと思う。