わたしとあなたのありのまま ‥3‥

「ついでに言わせて貰うと、『セレナ』じゃねぇから。『セレーナ』だわ。勝手に縮めんな」


まじか。名前を間違って覚えていたのか、私。

すっごい恥ずかしいじゃん。


厚かましい勘違いに、更に羞恥上乗せ。もう、穴があったら入りたい。



「私、『セレーナ』って言ったもん! 田所こそ、聞き間違ってんじゃねーよっ」

と、言い張ってみる。



「てめ、俺の耳のせいにすんのか? 至って正常だ、素晴らしいぐらいにっ。左右共に1.5だわ」

「1.5って……視力じゃん!」


もうそんなのどうでもいいけど、一応気になったので突っ込んでおく。



「お前なんかなぁ……」

言って田所は私の腰に両手を回した。そうしてクイと、何故だか優しく抱き寄せられた。



「こんなに愛せんのは俺だけなんだよ。覚えとけ」