わたしとあなたのありのまま ‥3‥

「わざとでしょ? 今のその聞き間違い、絶対わざとでしょ?」


キッと睨みつけて問い詰めれば、

「ん?」

小首を傾げて、意味がわからないとでも言いたげな不思議顔。



それ、もしかして誤魔化しているつもりですか?



ならば私もと、哀しげな表情を作って、縋るような瞳(のつもり)で田所を見上げた。



「私、『セレナ・ゴメス』に似てない? そんなに不細工? そんなにゴンザレス?」


田所は相変わらず不機嫌顔だけど、ちょっとだけ困ったように眉根を寄せた。



そして、両手は私を挟んで窓のサンを掴んだまま、腰を後ろに引き上体を前倒す。


ストンと。

私の左肩に田所の頭が落ちて来た。