案の定、クチビルは鼻を鳴らして笑うと、
「オッケ、わかった。そうする。
――ってことで……。いいかなぁ? もう行っても」
笑いを噛み殺しながらもそう言うと、田所の顔色を窺うように見た。
「いいよ」
子どもみたいな田所の返事に、思わず吹き出しそうになったけど、何とか踏ん張って堪えた。
とにもかくにも仮想修羅場は無事終息を迎え、誰も居ない廊下に田所と私だけが取り残された。
しんと静まり返ったと思ったら、お昼休みが間もなく終わることを告げる予鈴が鳴り響く。
そう言えば。
田所は教室に戻ったんじゃなかったっけ?
「どこ行ってたの?」
田所がスルリと解いた腕を慌てて捕まえ尋ねれば、
「ショーン・ベン」
と、伏し目がちに私を見下げて、涼しい顔で答えた。
「オッケ、わかった。そうする。
――ってことで……。いいかなぁ? もう行っても」
笑いを噛み殺しながらもそう言うと、田所の顔色を窺うように見た。
「いいよ」
子どもみたいな田所の返事に、思わず吹き出しそうになったけど、何とか踏ん張って堪えた。
とにもかくにも仮想修羅場は無事終息を迎え、誰も居ない廊下に田所と私だけが取り残された。
しんと静まり返ったと思ったら、お昼休みが間もなく終わることを告げる予鈴が鳴り響く。
そう言えば。
田所は教室に戻ったんじゃなかったっけ?
「どこ行ってたの?」
田所がスルリと解いた腕を慌てて捕まえ尋ねれば、
「ショーン・ベン」
と、伏し目がちに私を見下げて、涼しい顔で答えた。



