わたしとあなたのありのまま ‥3‥

「ああ、多分……ほのかは俺に愛され過ぎて、ちょっと調子ぶっこいてんだわ。ごめんね?」


見上げれば、妖艶な笑みを浮かべる美しい人。



――きゅるるん。

ヤバい、止まらない。無限にきゅるるんだ。



「ある意味コイツってレアだから、お前が欲しがる気持ち、よーくわかるけど、俺、手放す気ねぇし。お前なんかにやらねぇよ?」



ラブだぜ、田所。



私の首にぐるりと巻き付いている田所の右腕に両手を添えて、肩の上にのっかっているそれに、頭を横倒して自分の頬をくっつけた。



「お、俺だって、いらねぇーよ? なんちってー。ははっ」

クチビルはしどろもどろにそんなことを口走り、誤魔化すように苦笑した。



そうしてクルリと身を翻してこちらに背を向け、

「じゃ、俺はお邪魔みたいだからこれで。末永くお幸せにー」

なんて調子のいいことを言いながら、何事もなかったように去ろうとする。