「他の男しか見えてない子じゃなくて、僕だけを見てくれる子を探そうと思う」
言って進藤くんは、ふわっと、柔らかい笑みを浮かべたけど、その言葉には強固な意志が込められているように感じた。
突然に鳴り響いた予鈴が、午後の授業が間もなく始まることを告げる。
進藤くんはクチビルの方に向き直り、
「そろそろ行こうか? えっと……誰だっけ?」
申し訳なさそうに尋ねる。
「松永です。以後、お見知り置きを」
ムッとしながらも、素直に名乗ったクチビル。でもやっぱり、余計な一言を添えるのは怠らない。
そうして、私たちに背を向け校舎に向かって歩き出した二人。
「進藤!」
なのに、どうしてだか田所が呼び止める。
まだなんかあるの? もういい加減にしてよ。
ちょっとうんざりしている私なんぞ余所に、立ち止まって振り返った進藤くんに、田所は速足で近寄った。
「ティッシュ、ありがとう」
ポケットティッシュを進藤くんに差し出して礼を言う。
「いいよ、あげる。二人の揺るぎない愛を祝して、僕からの餞別」
冗談っぽくそう言って、素敵な笑顔を見せた進藤くん。その言い回し……何故だろう、すごく嫌な予感がする。
言って進藤くんは、ふわっと、柔らかい笑みを浮かべたけど、その言葉には強固な意志が込められているように感じた。
突然に鳴り響いた予鈴が、午後の授業が間もなく始まることを告げる。
進藤くんはクチビルの方に向き直り、
「そろそろ行こうか? えっと……誰だっけ?」
申し訳なさそうに尋ねる。
「松永です。以後、お見知り置きを」
ムッとしながらも、素直に名乗ったクチビル。でもやっぱり、余計な一言を添えるのは怠らない。
そうして、私たちに背を向け校舎に向かって歩き出した二人。
「進藤!」
なのに、どうしてだか田所が呼び止める。
まだなんかあるの? もういい加減にしてよ。
ちょっとうんざりしている私なんぞ余所に、立ち止まって振り返った進藤くんに、田所は速足で近寄った。
「ティッシュ、ありがとう」
ポケットティッシュを進藤くんに差し出して礼を言う。
「いいよ、あげる。二人の揺るぎない愛を祝して、僕からの餞別」
冗談っぽくそう言って、素敵な笑顔を見せた進藤くん。その言い回し……何故だろう、すごく嫌な予感がする。



