わたしとあなたのありのまま ‥3‥

美しい奥二重の目が不敵に弧を描く。

田所、笑った……?


「これでもくらえ!」

いきなり、丸めたティッシュを進藤くんに向かって投げつけた。


正に、『恩を仇で返す』ってこのことだ、と呆れた。


「やめろって! 田所くん、汚い!」

寸でのところで、進藤くんは身体を捩ってかわす。汚物攻撃は失敗に終わり、地面の上にそれは虚しくも落下。

だがしかし、そんなことでアホな田所が諦めるはずもなく。すかさずそれを拾い上げ、

「バカ、てめぇ……俺の鼻水は南アルプス天然水!」

再び進藤くんに向かって投げつけた。


「意味わかんないよ。ゴミのポイ捨て禁止!」

またしても、抜群のフットワークで華麗にかわした進藤くん。やや動揺しているのか、彼の発言もちょっとだけ可笑しい。田所に比べたら随分ましだけども。


「くそっ、すばしっこいヤツめ」

心底悔しそうに呟いた田所は、地面に落ちたティッシュをしつこく拾いに向かう。


何なの? これ……。

見るに見兼ねて駆け出した私。そうして、田所よりも先に、そのティッシュを拾って奪ってやった。


「秋山、汚ねぇ」

このアホくさい遣り取りを、何もせずただ黙って眺めていただけのクチビルが、今更のように口を挟む。その顔は、本当に汚い物を見ているようなしかめっ面だ。