「間違いだらけのあんたに、『間違いない』とか言われても……」
というか、私の魅力は『何かしらあるはず』だしね。結局、有るんだか無いなんだか、それすらも曖昧じゃん。
「そう、そういうとこかな。思ってることを、そのまんまズバズバ言うとこ。俺はそんなお前にもう夢中」
クチビルは『夢中』ってところで、ピッと人差し指を私に向けた。イラッ……。
「夢中だった割には、常に物言いが上目線だったけどね」
嫌味のつもりで言ったんだけど、「だって俺だもん」と意味不明な理由で笑い飛ばされた。
クチビル、心底ウザいぜ。でも――
――思ったより、イイヤツかも知れない。
と……。
「お前らー、俺が風邪で死んで……へっ、ブシッ!」
どこからか聞こえて来た鼻声。それは途中でクシャミに変わる。
信じられない思いで声のした方を振り返れば……。
――――田所?
黒のダウンジャケットをしっかり着込んで、首には大判のマフラーをぐるぐる巻き、そしてマスクをしっかり装着している。
でも間違いない。見間違うはずない。だって、寝癖だらけの黒髪に、奇麗な奥二重の目が、こんなに離れたところから目にしても、愛しくて仕方がないんだから。
上は完全防備なのに、下半身はグレーのスエットという、明らかに寝間着姿だ。寝ていたところを起こされて、慌てて家を出て来たんだと嫌でも気付く。
というか、私の魅力は『何かしらあるはず』だしね。結局、有るんだか無いなんだか、それすらも曖昧じゃん。
「そう、そういうとこかな。思ってることを、そのまんまズバズバ言うとこ。俺はそんなお前にもう夢中」
クチビルは『夢中』ってところで、ピッと人差し指を私に向けた。イラッ……。
「夢中だった割には、常に物言いが上目線だったけどね」
嫌味のつもりで言ったんだけど、「だって俺だもん」と意味不明な理由で笑い飛ばされた。
クチビル、心底ウザいぜ。でも――
――思ったより、イイヤツかも知れない。
と……。
「お前らー、俺が風邪で死んで……へっ、ブシッ!」
どこからか聞こえて来た鼻声。それは途中でクシャミに変わる。
信じられない思いで声のした方を振り返れば……。
――――田所?
黒のダウンジャケットをしっかり着込んで、首には大判のマフラーをぐるぐる巻き、そしてマスクをしっかり装着している。
でも間違いない。見間違うはずない。だって、寝癖だらけの黒髪に、奇麗な奥二重の目が、こんなに離れたところから目にしても、愛しくて仕方がないんだから。
上は完全防備なのに、下半身はグレーのスエットという、明らかに寝間着姿だ。寝ていたところを起こされて、慌てて家を出て来たんだと嫌でも気付く。



