わたしとあなたのありのまま ‥3‥

クチビルは私と進藤くんを交互に眺めてから、

「俺もふられに来てやった」

言って、またしても下手くそなウィンクをパチンとかます。


「いちいち腹の立つ……」

抑えきれない苛立ちが自然と口から漏れ出た。なのに、

「そう、それ! たまんねぇ」

クチビルは何やら嬉しそうだ。本当に、コイツの言動はいつも、腹立たしいほどに意味不明だ。

でもまぁいっか。ちょっとぐらい幸せ者の余裕――というか優しさ? を見せてやっても。


私も立ち上がって、二人の方へと歩み寄った。今正に、ここから立ち去ろうとしていた進藤くんだけど、クチビルの迷惑な登場によって、動くに動けず戸惑っているみたいだ。


「ふるついでに教えて欲しいんだけどさ、」

クチビルの真正面に立ち、彼を見上げて口を開く。


「あんたは、私のどこが好き?」

きっと答えなんか返って来ない。そんなの解りきっているけど、一応尋ねてみた。


「改めて訊かれるとわかんねぇなぁ……。けど、お前にはお前だけの魅力が何かしらある……はず?」

語尾は自信なさ気な疑問形。そしてクチビルは誤魔化すように笑った。


けれど、

「俺が言うんだから、間違いない」

自信満々に続けたクチビル。