わたしとあなたのありのまま ‥3‥

「恋愛って、そんなもんじゃない? 好きって気持ちに、誰もが納得の理由があることの方が稀なんじゃないかな」

やっぱり進藤くんは頭がいいんだ、とつくづく思った。


「ただ、田所くんと秋山さんを傍から見ていて思うのは、二人はいつも自然体で接していて、それでもお互いをすごく想い合ってる。その間に入る隙なんか、最初からどこにもなかったんだよね?」

確信に満ちた疑問形に、ほんの少し戸惑ってしまう。

進藤くん、一体全体何が言いたいんだろう。


「最高のカップルだよ。これからは応援側に回る」

ニッと、キラキラした笑顔を一瞬だけ見せて、進藤くんは軽やかに立ち上がった。


ああ私……田所と出会わなかったらきっと、進藤くんのこと好きになってたな。

でも、田所の彼女じゃなかったら、進藤くんは私のことなんか好きになってなかった。今日、話してみてそれを確信した。

確証はないけど、その根拠は酷く曖昧だけど、間違いないと思う。


「じゃあ……ね」

左掌を私に向けてかざし、ゆっくりと身を翻した進藤くん。意を決したように一歩踏み出して、けれどすぐに足を止めた。


「なんでお前ばっか、カッコ良くフラれてんだよ?」

進藤くんの向こう側にはいつの間にやらクチビルがいて。彼と向かい合うようにして立っていた。というか……。

進藤くんの行く手を阻むように、と言った方がしっくりかも知れない。