「顔なんか見えてないじゃん」
すかさず言い返せば、
『用がねぇなら切るぞ? 頼むから、安らかに眠らせてください』
田所は、心底迷惑そうな丁寧口調で懇願。――とここで、ようやく電話した目的を思い出した。
「待って! 用があるから電話したんだってば。てか、インフルは大丈夫?」
『病院で検査したけど、それはセーフ』
毒吐きまくりながらも、何だかんだちゃんと答えてくれる田所が、やっぱり私は大好きで。
「田所、会いたい」
『用件、それ?』
「はい」
『断る』
でしょうね、うん。予想通りだから、全くもってノーダメージ。
「会って、報告したいことがあります」
わざとらしく真面目くさって言ってみた。だってそれぐらいしないと、今の田所は全然取り合ってくれなさそうだから。
しばしの沈黙。そして、
『ああ、昨日言ってたことか』
と、どうでも良さそうに軽く返される。
「何? その言い方! 大事なことでしょーがっ」
思わず、躍起になって言い返してしまった。相手は病に伏しているというのに。
『そのテンション……わざわざ聞かなくてもわかるって。そして俺――
お前のこと信じてたから』
くぅ……。風邪に殺されかかっているくせに、イッチョマエにそんな甘い言葉を吐けたりするんですね。
田所さんよぉ、私も死にそうだぜ。
キュン死、しそうだぜ。
すかさず言い返せば、
『用がねぇなら切るぞ? 頼むから、安らかに眠らせてください』
田所は、心底迷惑そうな丁寧口調で懇願。――とここで、ようやく電話した目的を思い出した。
「待って! 用があるから電話したんだってば。てか、インフルは大丈夫?」
『病院で検査したけど、それはセーフ』
毒吐きまくりながらも、何だかんだちゃんと答えてくれる田所が、やっぱり私は大好きで。
「田所、会いたい」
『用件、それ?』
「はい」
『断る』
でしょうね、うん。予想通りだから、全くもってノーダメージ。
「会って、報告したいことがあります」
わざとらしく真面目くさって言ってみた。だってそれぐらいしないと、今の田所は全然取り合ってくれなさそうだから。
しばしの沈黙。そして、
『ああ、昨日言ってたことか』
と、どうでも良さそうに軽く返される。
「何? その言い方! 大事なことでしょーがっ」
思わず、躍起になって言い返してしまった。相手は病に伏しているというのに。
『そのテンション……わざわざ聞かなくてもわかるって。そして俺――
お前のこと信じてたから』
くぅ……。風邪に殺されかかっているくせに、イッチョマエにそんな甘い言葉を吐けたりするんですね。
田所さんよぉ、私も死にそうだぜ。
キュン死、しそうだぜ。



