ようやく冬以が返してきたのは、

『アイツに話したんだ?』

という、どうでもいい確認。


「当たり前でしょ。田所とずーっと一緒にいたいんだから、隠し事なんかしたくないし、できないよ」

『びっくり……』

「何が?」

『ほのかは……ホントにシたのかどうかもわかんない状態で、アイツを苦しめるようなこと平気で言っちゃうんだ。自分一人で抱え込むのが嫌で? ほんっと、ほのかって自分のことしか考えてないよね?』

「だからこうして冬以に確認してるんじゃん。私だって、ちゃんと確認してから田所に言えば良かったって後悔してるよ。反省してるよ。だから冬以に、確認するために会いたいって言ってんじゃん!」

的を射た非難の言葉に、つい、躍起になって言い返していた。

図星すぎて無性に腹が立った。そんな私は、やっぱり我儘で自己中なんだと思う。



『アイツにはがっかりした』

「何? 今度は田所の悪口? 許さないから。私のことは何言ってもいいけど、田所のこと貶すのだけは、絶対に許さない」

『悪口じゃない。アイツ、俺が思ってたよりずっとイイ男で、がっかりした』

「へ?」

予想を華麗に裏切った冬以の言葉に、思わず間抜けな声を漏らしてしまう。